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 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件で、マレーシア警察は19日に記者会見し、これまで逮捕した3人のほかに、北朝鮮国籍の男4人を容疑者と特定し、殺人容疑で行方を追っていると明らかにした。4人はいずれも事件当日の13日にマレーシアを出国したといい、国際刑事警察機構(ICPO)に捜査協力を要請したという。

 警察は17日までに実行犯の女2人と、北朝鮮国籍の男1人を逮捕している。今回の発表で容疑者は計7人になった。

 警察当局が19日、新たに容疑者として公表した4人は、リ・ジヒョン(32)、ホン・ソンハク(32)、オ・ジョンギル(54)、リ・ジェナム(57)各容疑者。1月31日から今月7日にかけてマレーシアに入国していたという。

 韓国政府は、北朝鮮の工作部門が関与したとみている。

 会見したマレーシア警察のヌール・ラシッド・イブラヒム副長官は、逮捕された3人を含め、7人の容疑者の役割は「捜査中」とした。

 華字紙「星洲日報」は18日、クアラルンプール国際空港には犯行時、男1人が実行犯と一緒に正男氏が現れるのを待ち、その後もそばで襲撃を観察していたほか、男3人が空港内のレストランで犯行を確認していたと報じている。

 シンガポールのテレビ局「チャンネル・ニュース・アジア」によると、警察が新たに公表した4人の容疑者はクアラルンプールから空路でジャカルタ、ドバイ、ウラジオストクを経由して17日に北朝鮮の平壌に帰国したという。

 正男氏は毒殺されたとみられるが、イブラヒム氏は死因が「特定できていない」と説明。「警察の科学捜査部門に遺体のサンプルを渡して、毒物の有無の分析を進めている」と述べた。

 警察はさらに、重要参考人として男性3人も捜しているという。この3人のうち1人は、北朝鮮国籍の男性(29)。他2人の身元は不明だ。

 マレーシア警察の発表を受けて韓国統一省報道官は19日夕、論評を発表し、「我が政府は金正男氏が殺害されたことは確実とみており、容疑者5人が北韓(北朝鮮)国籍者であることから、今回の事件の背後に北朝鮮政権がいるとみている」と述べた。(クアラルンプール=都留悦史)