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 村上春樹さん(68)の新作長編「騎士団長殺し」(2巻)が24日、発売された。久々の長編とあって読者の期待は高く、版元の新潮社は計130万部発行。都内の一部書店は日付が変わると同時に売り出した。

 東京都千代田区の三省堂書店神保町本店では、「第1部 顕(あらわ)れるイデア編」、「第2部 遷(うつ)ろうメタファー編」の2巻をタワーのように積み上げるなどして、午前0時に約50人の客を迎えた。2時間前から友人と並んだ東京大4年、瀬尾政隆さん(22)は「魅力的な会話や言葉選びのすばらしさなど、村上作品は読んでいて心地いい。早く読んでファン同士で語りたい」と話した。

 また、「誰よりも早く村上春樹さんの新刊を本屋で徹夜して読む」会も午前6時までの予定で実施。椅子や机、毛布が用意された店内1階で、事前予約した約10人が待ちわびた新刊本を黙々と読み始めた。

 東京都渋谷区の代官山蔦屋書店は発売直前の23日深夜11時から、トークイベントを開催。30人近くが集まり、村上さんのファン「ハルキスト」が集まることで知られる東京・荻窪の文学カフェ「6次元」の店主ナカムラクニオさんが「予言的なことを書き続けてきた作家。トランプ大統領や中東情勢のことを直接書いていなくても、ありとあらゆる現代の現象を予言的に書いているのでは」と内容を予想した。

 一方、JR北海道室蘭線で23日早朝に起きた貨物列車脱線事故の影響で、道内の書店には届かなくなり、発売が延期された。新潮社によると、25日には販売できる見込みという。

 村上さんの長編は「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」以来4年ぶりで、複数巻に及ぶ大作は「1Q84」(BOOK1~3)以来7年ぶり。初版は50万部ずつの計100万部の予定だったが、書店や読者の反響や期待の声が大きいため、計130万部に増刷された。