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 ギャンブル依存症はパチンコや競馬、宝くじなどの賭け事にのめり込み、多額の借金を抱えてもやめられない状態になる。厚生労働省研究班の調査(2014年)では、日本での有病率は男性8・7%、女性が1・8%で、推定約536万人。ギャンブル依存症に特有な行動を示した項目で、一定数以上当てはまると診断される。

 通谷(とおりたに)メンタルクリニック(福岡県中間市)の森山成彬院長は、15年5月までの1年10カ月間にクリニックを受診したギャンブル依存症患者100人(男性88人、女性12人)の実態を調べた。

 平均開始年齢は男性が18・5歳、女性は28・4歳。費やした平均額は男性で1290万円、女性で680万円に上る。利用したのは「パチンコ・スロット」に絡むものが大半で98人。20人がアルコール依存を併発、8人がうつ状態だった。「全国に1万1千もパチンコ店があり、簡単に始められる環境が、膨大な数の患者を生み出している」と森山さんは話す。

 機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)で患者の脳を分析した京都大などの研究では、一般人の脳と比べ、日常の娯楽などへの反応が低下する半面、ギャンブルに関連した音や光には強く反応するよう変化していることが示された。森田展彰(もりたのぶあき)・筑波大准教授(精神医学)は「意志が弱いためにやめられないという偏見が根強いが、やめられないのは、脳の変化を引き起こしているためだ」と話す。

 治療では、一発逆転で取り戻せるといった思い込みやこだわりなどを見直していく認知行動療法が一般的に用いられる。ギャンブルから離れた生活がいいと段階的に実感できるよう導く。ただ、専門の医療機関が少ないのが課題だ。

 「ギャンブラーズ・アノニマス」を始めとする、自助グループへの参加も回復に有効とされる。依存症による借金や、うそなどで傷ついた家族向けに「ギャマノン」などの自助グループもある。森田さんは「患者は対人関係が苦手で、ギャンブルでストレスを埋める傾向がある。医療機関より敷居が低い自助グループで、仲間の経験に耳を傾け、自分が抱えるしんどさを話せる居場所にすることで、再発の防止につなげることができる」と話す。

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