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 金正男(キムジョンナム)氏の殺害事件を調べるマレーシア警察が死因として突き止めたのは、猛毒の「VX」だった。犯罪の立証に欠かせない証拠を得た警察は、疑問が残る犯行の状況や、北朝鮮の組織がどう関わったかなどの解明を進める。

 13日午前、クアラルンプール国際空港の出発ホールに現れた正男氏に、2人の女が近づいた。正男氏を前と後ろから挟む形で、顔に毒物を塗りつけた。

 「目が焼けるように痛い」。正男氏は直後、顔を覆うしぐさで周囲に異変を訴えたという。約10分後には自力で歩いて空港内の診療所に向かったが、まもなく椅子に掛けたまま意識を失った。襲撃から約1時間後、空港外の病院に運ばれる途中で死亡した。

 事件当初は、毒物を付着させる方法として、スプレー説や毒針説が挙げられたが、カリド警察長官は22日、実行犯の女2人が「素手」で毒物を塗ったとの見方を示した。液状のVXをクリームやオイルに混ぜて使った可能性がある。

 犯行グループにとって、素手は、毒物が浸透しやすい部位に確実に触れることができ、手袋という証拠を残さない利点がある。だが、疑問は残る。猛毒のVXを素手で扱った実行犯に健康被害はなかったのか。

 監視カメラの画像によると、ベトナム国籍の実行犯ドアン・ティ・フォン容疑者(28)は襲撃後、両手を前に出す不自然な姿勢で逃げていた。その後、トイレで両手を洗ったという。

 カリド警察長官は24日、「実行犯のうち1人が犯行後に嘔吐(おうと)していた」と語った。華字紙「中国報」によると、女が事件後に手や頭の痛みを訴え、指示役に「何を使ったのか」と詰め寄る場面があったという。捜査関係者によると、空港近くのフォン容疑者の宿泊先からは粉末状の物質が見つかった。事前に飲んで症状を和らげる薬の可能性がある。また華字紙「東方日報」は24日、「2人は解毒注射を打った可能性がある」と伝えた。(クアラルンプール=乗京真知)

■毒殺担う専門…

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