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 東京大学が昨年から採り入れた推薦入試で、磐城高校の根本直哉さん(18)=いわき市=が2月、教育学部に合格した。与えられた問題に素早く正確に答えられる「受験エリート」ではなく、「特定のものに精力的に打ち込んだ人」を評価しようと始まった取り組み。どんな試験だったのか、根本さんに聞いた。

 各校が男女1人ずつ推薦でき、全体では173人が出願して71人が合格。教育学部には6人が出願し、5人が合格した。選考の中心は教授ら6人による面接。書類選考後、午前、午後と2回の面接が昨年12月18日にあった。

 午前の面接は全受験生で実施。事前に用意したポスターを使って1人10分の持ち時間で順に志望理由を説明し、ほかの受験生からも質問を受ける。

 根本さんは中学時代、各校の生徒会長らが集う「いわき生徒会長サミット」の活動で寄付金を募り、タイの山岳地帯に学校を建設した。その経験をもとに「途上国で誰もが初等教育を受けられるようにするため、地域と住民が一体となって取り組める学校運営の仕組みを学びたい」とアピールした。学校建設の翌年に来日したタイの中学生から「隣の子は毎日働きに出るので学校には通っていない」と聞かされたからだ。

 午後の面接は個別に30分間、質問を受けた。「先進国側からの価値観の押しつけになっていないか」。そう切り出され「一方的に仕組みを作るのではなく、現地に出向き、その地に合う取り組みをしたい」と答えると、今度は「なぜ国際系の学部ではなく教育学部なのか」と質問が飛んだ。

 進路を明確にしたのは高校2年のときだ。タイの国際会議に出席し「あなたは何をする?」と問いかけられ、中学時代の活動を思い返した。「高1の1年間は塾に通い詰めで自分を見失いかけていた」

 合否は2月8日に発表され、面接に進んだ5人とも合格だった。

 「留学などを通して、世界の教育の現場で見聞を広げたい」と根本さんは話す。(岡本進)