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 経済産業省が、庁舎内の執務室を日中も原則施錠する運用を始めた。報道機関は「情報公開の後退につながる」と反発している。大半の中央省庁は玄関で訪問者の身元確認をしており、執務室には原則として鍵をかけないところも多い。閣僚などから経産省の対応を疑問視する声も上がっている。

世耕大臣「行政の信頼性確保する」

 東京・霞が関の経産省庁舎。今週から各部署の扉に鍵がかけられ、職員もカードで解錠して入室している。民間の訪問者が扉の前の内線電話で職員を呼び出す姿も。ある部署に記者が電話で取材を申し込むと「執務室では受けられないので」と、庁舎内の食堂に案内された。

 施錠の発表は先月20日。「情報管理の必要性が高まるなか、行政の信頼性を確保するため、庁舎のセキュリティーレベルを強化する」。そんな理由が記された案内が配られた。

 翌21日、閣議後の記者会見で理由を聞かれた世耕弘成経産相は「企業情報や通商交渉に関する機微情報を扱っている。私が(大臣)就任当初から問題意識を持っていた」と説明した。だが、経産省職員からは「扉が開いているから情報が漏れたなんて聞いたことがない」という声も上がる。

 2月の日米首脳会談に先立ち、経産省も関わっていた日米経済協力の検討案を朝日新聞などが報じた。それがきっかけでは、という話も飛び交う。世耕氏は「個別案件とはまったく関係ない」とし「マスコミ対応が後退することはあってはならない」と繰り返す。

 経産省は施錠に伴って非公表の取材対応マニュアルも作り、職員に配った。朝日新聞が入手した内部資料によると「取材対応は管理職以上」で「対応場所は執務室外の会議スペース」とし、「メモ取り担当の職員を同席」させて「メモを広報室に登録(報告)」「自宅周辺でのアポなし取材は原則受けつけない」などと指示している。

 報道機関でつくる記者クラブ「経済産業記者会」は27日、「取材活動に重大な障害となり、情報公開の後退につながる」などとし、施錠やマニュアルの撤回を世耕氏に文書で要求した。

 これまでは取材相手の自席や執務室内で取材でき、1対1でのやりとりも普通だった。電話で留守と告げられ、その部署に行ってみると職員がいて取材できた例も多い。

 世耕氏は28日の会見で、施錠は撤回しない考えを示し、マニュアルについては「取材対応について従来と変えるような指示はまったく出していない」と自身の関与を否定した。記者会は同日、改めて施錠の撤回と、マニュアルの作成経緯の説明などを求めた。(笹井継夫

■他の閣僚からは疑問…

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