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 東京都の豊洲市場をめぐる問題について、都知事在任中に築地市場からの移転を決めた石原慎太郎氏(84)が3日、記者会見した。土壌汚染のある土地を選んだ責任を認めた一方、「私は都職員や議会が判断したものを裁可した」などと繰り返し、経緯の解明は進まなかった。

 会見は、「言うべきことを言う」という石原氏の意向で開かれた。

 土壌汚染が残る東京ガス工場跡地を選んだ理由について、石原氏は1999年の知事就任時には既定路線だったとしたうえで、「都の部局長が『今の技術で(除去は)大丈夫』と言った。都が専門家も含めて検討し、議会も了としたので裁可した」とした。

 売却を渋る東ガス側を説得した交渉経緯については、側近の浜渦武生副知事(当時)に一任しており、「報告を受けてない」。2011年に土地売買契約額を土壌汚染がない前提で560億円と算定したことについても「審議会が専門家も含めて決めたこと」とし、判断への関与を否定。契約書へのサイン自体を「覚えがない。私の判子が使われた」などと述べた。

 新たな汚染が出た場合に東ガス側に追加負担が生じない協定を結んだことについては、「(昨年10月に)都に質問されて初めて知った」と話した。

 石原氏は今月20日、都議会の調査特別委員会(百条委員会)で、元都知事として初めて証人喚問される。

 一方、石原氏は豊洲市場への早期移転を繰り返し主張し、昨年8月に移転延期を表明した小池百合子知事を「今の混迷、迷走の責任がある。専門家も安全だと言う豊洲を使わないのは理解できない」などと批判した。これに対して、小池氏は3日、報道陣に「(移転できない)状況を作られたことについて、客観的にご自分も見つめてほしい」と話した。(小林恵士