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 韓国が配備を進めている米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD(サード))をめぐり、中国で「韓国たたき」が強まっている。官製メディアが、用地提供に同意したロッテグループを標的にするなど、批判キャンペーンを大展開。韓国への団体旅行禁止の動きもあり、中国に大きく依存する韓国の観光業界に危機感が広がっている。

 3日、北京市内のスーパー「ロッテマート」はがらんとしていた。店側は「客足に影響はない」と強調したが、雑貨売り場の店員は「見て。金曜日なのにほとんどお客さんがいないでしょ」と嘆いた。この店では抗議活動は起きていないものの、敷地内で韓国化粧品を売る女性は「影響はこれから出てくると思う。今はただ嵐が過ぎるのを待つしかない」とあきらめ顔だ。

 中国での「韓国たたき」の動きは、ロッテグループの用地提供への同意が発表された先月27日から一斉に始まった。

 「国家の利益を前に、私たちはロッテに『ノー』と言おう」。共産党系の「中国青年報」は1日付の1面にこんな見出しを掲げた。

 夕刊紙「法制晩報」も北京市内のロッテマートが違法広告で罰金を受けたと28日に報じたが、実際には昨年5月の出来事。意図的に批判を強めていることがうかがえる。

 報道を受け、中国内ではロッテマートへの抗議や商品引き揚げの動きが起きている。中国メディアによると、北京の卸業者らの協会は「違法に高いテナント料をとっている」と訴え、全国の業者に商品納入停止などを呼びかけた。冷蔵設備の納入をやめると宣言した安徽省の会社社長は朝日新聞の取材に「すべての中国人が愛国心を発揮すべきだ」と話した。

 ロッテは中国に24の系列会社が進出。ロッテマートは115店舗、ロッテ百貨店は5店舗あるという。中国に進出している24社の2016年の売り上げは3兆2千億ウォン(約3200億円)で影響が懸念されている。

 2日付の人民日報系の国際紙「環球時報」は、韓国紙の「これが大国のすることか」という批判にも、「(ロッテが)他の選択もできたのに中国の重大な利益を傷つけたのだから、当然受けるべき代償だ」と突き放した。

 韓国紙「朝鮮日報」は3日付の社説で中国について「大国だが、三流に過ぎなかった国の水準をそのまま見せている」と非難した。

 ネット上では「こんなことをして実際に職を失うのは中国人だ」と批判的な声も出ているが、すぐにはおさまりそうにない。中国外務省の耿爽副報道局長は3日の会見で、旅行禁止については「聞いたことがない」とした上で、「疑心暗鬼になるより、民衆の声を聞いて適切な行動をとるべきだ」と話した。

韓国の観光業界に危機感

 中国の国家旅遊局が韓国への団…

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