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 渡部兄弟が日本に初めてのメダルをもたらした。フィンランド・ラハティで3日にあったノルディックスキーの世界選手権で、渡部暁斗、善斗(ともに北野建設)の兄弟コンビで複合団体スプリント(ジャンプHS130メートル、距離15キロ)に臨んだ日本は銅メダル。この種目で日本初となる表彰台に兄弟そろって立った。

 大一番で光ったのは、日本のエース渡部暁斗ではなく、その弟・善斗だった。

 2日前の複合個人ラージヒルで銀メダルに輝いた暁斗は、日本で唯一世界と対等に戦える存在。そのエースと他の日本勢は力の差が大きく、各国の上位2人がチームを組んでくるこの日は、山田和由コーチですら「我々が一番苦手とする種目だと思っていた」。そんな予想を善斗が覆した。

 前半のジャンプで、兄弟それぞれ123メートルを飛んで3位で折り返し、後半の距離へ。そこでの善斗の狙いは「とりあえず、食らいつく」。スタート直後から、2秒前を行く強豪ドイツの真後ろにぴたりと付き、必死に食らいついた。

 善斗は元来、ジャンプが得意な選手。ただ、今季に向けて「走力がないと勝負できない、と感じて、夏からかなり意識してやってきた。以前なら、前にいるドイツに追いつこうと思わなかった。でも、何も考えずに追いつけた」。9周目を終え、3位のまま距離に強い兄に走りを引き継いだ。

 弟の踏ん張りに「良い走りだった」と暁斗。これまで殻を破りきれなかった善斗は、「少し変われたかもしれない」と笑った。(吉永岳央)

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 〈複合団体スプリント〉 世界選手権で2013年大会から採用されている種目で、2人1組のチーム編成で行われる。前半のジャンプの得点を時間差に換算し、後半の距離は順次スタート。距離は15キロで行われ、1・5キロのコースを2人が1周ずつ交互にリレーして計10周走る。五輪種目にはなっていない。

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