[PR]

 政府は7日、性犯罪を厳罰化する刑法の改正法案を閣議決定した。被害者の告訴がない場合でも罪に問えるようにすることなどが柱。法案が成立すれば、性犯罪については1907(明治40)年の刑法制定以来の大規模な改正となる。

 法相の諮問機関「法制審議会」による昨年9月の答申を受け、法務省が検討していた。強姦(ごうかん)罪や強制わいせつ罪は、捜査機関が立件するには被害者の告訴が必要な「親告罪」とされてきた。改正法案では、罪に問うかを被害者に委ねることは精神的な負担が大きいとして、告訴がなくても立件できるようにする。

 強姦罪の名称は「強制性交等罪」に変更。現行は「加害者は男性、被害者は女性」だが、男女の区別なく処罰の対象とする。法定刑は「懲役3年以上」から、殺人罪の下限と同じ「懲役5年以上」に引き上げる。強姦致死傷罪も「強制性交等致死傷罪」に変え、罰則は「無期または懲役5年以上」から「無期または懲役6年以上」になる。

 また、家庭内の性的虐待などに対応した「監護者わいせつ罪」と「監護者性交等罪」を新設。18歳未満の子どもに対し、生活を支える親など(監護者)が「影響力に乗じて」及んだわいせつ行為や性交を処罰する。強制性交等罪などは、これまで通り加害者による「暴行と脅迫」が罪の成立のために必要だが、監護者による罪は、被害者が抵抗したかどうかに関係なく問われる。(金子元希)

改正法案の骨子

●強姦(ごうかん)罪や強制わいせつ罪は被害者の告訴がなくても罪に問える

●強姦罪を「強制性交等罪」に改め、男女とも加害者・被害者になる。法定刑は「懲役3年以上」から「懲役5年以上」に引き上げる。致死傷罪については「無期または懲役5年以上」から「無期または懲役6年以上」にする

●「監護者わいせつ罪」と「監護者性交等罪」を新設し、生活を支える立場の親などが影響力に乗じて18歳未満に及んだ行為を処罰する

●強盗と強姦が同じ機会に行われた場合、その前後を問わず「無期または懲役7年以上」に罰則を統一する