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幸せな老いを探して 米国留学で見たこと:4

 フランスの画家ルノワールの「画家の家族」の前に、アルツハイマー型認知症の男性と妻、車いすの女性たちが座った。スーザン・シフリンさん(55)は「まずは数分、この絵を見つめましょう」と参加者を促した。

 米国ペンシルベニア州フィラデルフィアにある「バーンズ財団美術館」。ピカソやモネといった著名な画家の作品を展示する観光名所の一つだ。館内には丸一日かけても見終わらないほど、たくさんの展示品がある。

 このプログラムでは、その日に決めた1枚の絵に集中し、鑑賞する。休館日で「貸し切り」状態のため、せかされることはない。

 シフリンさんはNPO「ARTZ フィラデルフィア」の代表で、認知症の人たちが美術館で絵を鑑賞するプログラムに取り組む。「ARTZ」はアート(art=芸術)とアルツハイマー(Alzheimer)を組み合わせた造語。「アルツハイマーの人のための芸術家たち」という意味が込められている。

 「絵の中の季節はいつだと思いますか」とシフリンさんが問うと、「冬かな」「でも緑が描かれている」と参加者たち。シフリンさんはファシリテーター(進行役)として、全員が平等に発言できるようにする。

 車いすの女性が何かをゆっくり、小さな声でつぶやくと、そばに座って、話し終わるまで耳を傾ける。「隣にある果物の絵の方が気になるわ」と女性は言った。

発言をゆっくり繰り返す

 シフリンさんは参加者の発言を必ずゆっくり繰り返し、進行する。それには二つの理由がある。

 「一つは声が小さかったり、話…

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