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絵本作家・葉祥明さん

 ぼくの絵というと、緑の野原とどこまでも広がる青い空、メルヘンの世界を思い浮かべる人が多いと思います。終戦の翌年に熊本で生まれて育ち、雄大な阿蘇山がぼくの原風景です。

 美しい色彩、やさしいタッチ、シンプルなストーリーを心がけた作品づくりの原点は、デビュー作「ぼくのベンチにしろいとり」(至光社)です。

 犬のジェイクが、お気に入りの公園のベンチに現れた小鳥を受け入れ、一緒にひと時を過ごし、別れる。その余韻を描きました。発表から40年余りをへて昨年、改訂版が出たのは、現代にも通じる人生の本質の一つ、人と人の出会いと別れを表現しているからだと思います。

 牧歌的で美しい、平和な世界を描いてきました。我々が住む世界がどんなところか、知ろうとする子どもたちのために、この世界が信頼できる、生きるに値するところだよという、ぼくからのメッセージでした。

 ただ、世界には、戦争や災害、事件、貧困といった目を背けたくなる現実もたくさんあります。

 この世は甘く美しいだけでなく、苦みもあることは「ぼくのベンチにしろいとり」でも、「隠し味」のように入れていました。それを前面に出そうと考えが変わったのは、依頼を受けて絵を描いた「地雷ではなく花をください」(自由国民社)でした。50歳のときです。絵本1冊の収益で10平方メートルの土地から地雷を撤去するキャンペーンは、大きな反響がありました。

 この経験から、絵本の無限の可…

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