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 トランプ米大統領が根拠なく、オバマ前大統領を批判する発言を繰り返し、波紋を広げている。トランプ陣営とロシア側が選挙前に接触していたことが発覚した問題で、オバマ氏が盗聴器を仕掛けるよう命じたと主張したのに続き、今度は米国が釈放した収容者について事実誤認。いずれもツイッターで言い放ち、修正・訂正もしていない。

 「オバマ政権がグアンタナモ収容所から釈放した122人の残忍な囚人が、再び戦場に戻っている。またひどい決定だ」。トランプ氏は7日、ツイッターで前政権をこう批判した。

 これは、イエメンでの米軍による空爆で、元グアンタナモ収容者の122人が殺害されたという米メディア報道を受けたものだった。しかし実際は、オバマ政権下で釈放されたのは122人のうち9人。残りはそれ以前の政権下で釈放されており、トランプ氏が早とちりした可能性が高い。

 トランプ氏は4日にも、ツイッターで「オバマがトランプタワーを盗聴した」と根拠も示さず主張。与党の共和党重鎮のマケイン上院軍事委員長は、「(米国民は)大統領が、前任者がトランプタワーに盗聴器を仕掛けて法律を破ったと言う根拠を知る権利がある」とトランプ氏を牽制(けんせい)した。

 これに対し、スパイサー大統領報道官は7日の記者会見で、トランプ氏は自身の主張を「後悔していない」と強調。一方で、記者から報道官自身の見解を問われると、「私は大統領を代弁し、彼が望むことを話すのが仕事だ。私自身の考えを話すためにここにいるのではない」と苦しい弁明に終始した。(ワシントン=佐藤武嗣