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 スペイン・シエラネバダで8日にあったフリースタイルスキーとスノーボードの世界選手権の男子モーグルで、堀島行真(いくま、中京大)が日本男子初の金メダルに輝いた。自己最高の91・08点で予選を1位通過すると、そのまま一気に頂点まで駆け上がった。

「攻めるしかない」気持ち貫き

 2日続けて金メダルを獲得した堀島は、8日の男子モーグルで勢いに乗った。

 19歳の信条は「攻める」スキー。「僕の実力では、120%の力を出すことでしか勝つことはできない」。自分を貫いた末の金メダルに、堀島は誇らしそうに笑みを浮かべた。

 持ち味を存分に発揮したのは、上位6人がメダルをかけて争う決勝の2回目だった。1回目は「プレッシャーでかなり緊張した。体も動かなかった」という。

 ただ、2回目は違う。「もう攻めるしかない」と思い直した。失敗を恐れず、スピードを上げて滑った。タイムは1回目の21秒96から、この日出場した全選手最速の21秒51に。「自分の持っている以上の力が出た」

 攻撃的な姿勢のきっかけは、今季序盤にあった。フィンランドでのワールドカップ(W杯)開幕戦で48位と惨敗。ここから3戦連続で2桁順位に沈み、「トップとの実力差を見たら、攻めないとダメだ」と気づいたという。昨季右ひざの靱帯(じんたい)を痛めた。それ以来怖がって力を抑えていた自分を変えようと決意した。

 世界選手権は初出場。W杯未勝利でランキング19位の大学生が起こした番狂わせに、記者会見では海外メディアから「まさか君が金メダルを取るとは思わなかった」と意地悪な質問も飛んだ。ただ、堀島は「でも、僕は狙っていた」。

 見据えるのは、1年後に迫った平昌五輪だ。「確実に金メダルが取れるよう、しっかりと練習していきたい」。目標に向かって、どこまでも攻めていく。(吉永岳央)

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 〈堀島行真(ほりしま・いくま)〉 2014年世界ジュニア選手権のモーグルでは13位、デュアルモーグルで7位に入った。ワールドカップではデュアルモーグルは15年12月の3位、モーグルは今年2月のたざわ湖大会での6位が最高成績。札幌冬季アジア大会ではモーグル、デュアルモーグルで金メダルを獲得した。岐阜第一高出。170センチ、66キロ。岐阜県出身。(時事)