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襲撃事件資料室から:10

 小尻知博記者(当時29)らが撃たれた際、机から床に落ちたのか、原稿用紙は血に染まっている。

 阪神支局襲撃事件があった1987年当時、新聞記者たちはマス目が入ったザラ紙の原稿用紙に、鉛筆やペンで原稿を書いていた。左下の隅に「朝日新聞社」と印刷されている。1枚6行で、1行14字。

 小尻記者直筆の原稿用紙も展示している。そのうちの1枚には、筆圧の強い丁寧な字で見出し案が記されている。

 「夕刊用 (P) 選挙の季節にひっぱりだこ 予約一カ月のランプあめ レトロやグルメブームも」。(P)は「写真あり」の意味だ。

 小尻記者への伝言を記した紙も血に染まった。兵庫県尼崎市の保育所から小尻記者に電話があったというメモには、「今年もコイのぼりを上げるのですが(中略)取材に来てほしい」などとあった。