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 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害されて13日で1カ月。北朝鮮の犯行グループが綿密に計画を練っていたことが、マレーシア当局の捜査で明らかになってきた。ただ、北朝鮮は遺体の引き渡しを求めつつも、捜査協力を拒む姿勢で、全容解明への道は険しい。

 「黒い帽子の男」。現場となったクアラルンプール国際空港などの監視カメラの映像から、捜査員がこう呼ぶ指名手配犯がいる。北朝鮮人のリ・ジウ容疑者(29)。黒幕の一人だ。

 昨年11月ごろ、テレビ出演のスカウトを装い、実行犯のベトナム人、ドアン・ティ・フォン被告(28)を勧誘。ベトナムや韓国を旅して親密になり、他の容疑者らに紹介したという。フォン被告は周囲に「彼氏ができた」と語っていた。

 監視カメラの映像によると、ジウ容疑者は犯行の10日ほど前からフォン被告の宿に出入りし、荷物を運んだり、宿代を払ったりしていた。黒い帽子を目深にかぶり、顔を伏せて歩いた。

 2人は犯行当日の2月13日朝も一緒に空港の出発ホールに向かった。もう1人の実行犯で、1月にグループに加わったインドネシア人のシティ・アイシャ被告(25)には、北朝鮮の秘密警察のオ・ジョンギル容疑者(54)らが付き添った。

 グループはホールのカフェなどで正男氏を待ち伏せた。午前9時前、正男氏が現れると、年長の秘密警察員、リ・ジェナム容疑者(57)がおもむろに歩き始めた。紫色のシャツは目立ち、合図になったとみられる。同時にジウ容疑者が渡した容器の液体を実行犯2人が両手になじませたと捜査関係者は語る。2人は正男氏をはさみ打つように近づき、猛毒「VX」を含む液体を顔面に塗りつけた。

 手際よく実行された犯行に向けて、グループは少なくとも約3カ月前から準備を本格化させていた。拠点とされるマンションは、昨年11月ごろ分譲が始まったクアラルンプール南部の新築物件。地元メディアによると、同月下旬に重要参考人の北朝鮮大使館のヒョン・クァンソン2等書記官(44)と似た男が訪れたほか、外交官用の車が出入りしていた。警察の捜索で室内から複数の化学物質やゴム手袋などが見つかった。

 実行犯を勧誘し始めたのもこの時期。女の起用は正男氏の警戒を解き、隙を突く狙いだったとみられる。

 犯行が近づくと予行演習もした…

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