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 【松尾慈子】このコラムを連載して14年になるが、マーガレットコミックスを紹介した回数は、片手で数えられるくらいなのではないか。表題作「町田くんの世界」(1~4巻、以下続刊)は、別冊マーガレット連載。想定されている読者層は女子高生だろう。コミックスの背表紙にはマーガレットコミックスの象徴、黄金の王冠が光っている。あの王冠の輝きは、「非オタク」の象徴のようなものであって、リア充の少女たちだけがあの冠に触れる許しを得ているように思えていて、10代だった頃の私には手が出せなかった。主人公の高校生・町田くんの母の世代になった私は、ようやく落ち着いて読めるような気がする。

 閑話休題。本作を紹介すると、主人公の町田くんは、少女漫画の従来のヒーロー像とは程遠い。あまりにも地味なのだ。眼鏡で物静か、運動音痴で成績下位。でも、私のマーガレットとのファーストインパクト(ではないが)が町田くんで良かったのだ。いかにも、そこらへんにいてもおかしくない、でもいそうでいない、町田くんだからいいのだ。

 町田くんの最大の美点。それは、彼は人に愛され、また愛することを知っていること。それは彼が5人きょうだい(2巻には6番目が誕生する)の長男であることにも起因するのかもしれない。弟妹は、ちゃんと自分を見てくれて、愛してくれるお兄ちゃんが大好きだ。父は仕事で留守がちだけれども両親も仲良し。あ、そこからして現代社会ではレアなのかもしれない。

 そして、作中で「町田イズム」…

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