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襲撃事件資料室から:5

 阪神支局の襲撃事件資料室。支局が襲撃を受けた時、小尻知博記者が座っていたソファの上に短冊が置かれている。

 「吾子(あこ)の座のソファー白線梅雨じめり」

 資料室にはほかにも、句がつづられた短冊を所蔵している。

 小尻記者の母・みよ子さんは息子を失ってから、チラシに思いを書き付け始めた。勉強を重ねて俳句結社に参加した。

 息子を突然奪われた悲しみや無念を句に託し、事件解決の日を待ちわびる思いを詠み続けた。時効が成立する前の2002年4月、371句を編んだ句集「絆」を出版した。

 「憲法記念日ペンを折られし息子の忌」

 「未解決今日もあきらめ明日を待つ」

 「ことごとく思いは同じなぜなぜと」

 みよ子さんは15年7月15日、84歳で亡くなった。