北京=延与光貞
オーストラリアを訪問している中国の李克強(リーコーチアン)首相は24日、ターンブル豪首相との共同会見で、中国が南シナ海に建設した人工島の設備について、「一定の防衛設備があるとしても、(民間船舶などの)航行の自由を守るためのものだ」と語り、軍事的な施設の存在を事実上認めた。ただ、「主に民生用だ」として、「南シナ海を軍事化する考えは全くない」と強調した。AFP通信などが伝えた。
同通信によると、李氏は「同海域を通る飛行機や船は中国の貿易相手であり、中国の利害がどれだけ大きいか容易に分かるはずだ。航行の自由や海域の安定がなければ、最初に影響を受ける国の一つが中国だ」などと正当性を訴えた。
南シナ海ではフィリピンやベトナムも領有権を主張しているが、中国が南沙(スプラトリー)諸島などに滑走路を建設。人工島に航空機を撃ち落とす防御システムを配備したとの情報もあり、「軍事拠点化を進めている」と国際社会から批判を浴びている。中国外務省はこれまで「自己の領土上に必要な範囲で国土を守る施設を作るのは、主権国家に認められた権利だ」などと主張してきた。(北京=延与光貞)
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朝日新聞国際報道部