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 製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬「ディオバン」に関する論文不正事件で、東京地検は29日、薬事法(現・医薬品医療機器法)違反の罪に問われた同社と元社員の白橋伸雄被告(66)を無罪とした東京地裁判決を不服として控訴した。検察側は控訴審で、判決が示した法解釈に誤りがあると主張する見通し。

 白橋被告は、ディオバンがほかの治療薬より脳卒中や狭心症を防ぐ効果が高いと結論付けた京都府立医大の論文で、臨床データの解析などを担当した。

 判決は、白橋被告がデータを水増ししたり、意図的に改ざんしたりしたと認めた一方で、学術雑誌への掲載は金銭を支払って掲載される一般の広告とは異なると判断。改ざんされたデータを元にした論文が掲載されたことが、薬事法が禁じた広告などの「購入意欲を高める手段」には当たらないと結論づけた。

 こうした判断に対し、地検は控訴審で、論文が「治療薬を決める医師の購入意欲を高めた」と主張するとみられる。

 白橋被告の弁護人の手島将志弁護士は「結論は妥当だが『改ざんした』という事実認定については不満がある」、ノバ社は「二審においても引き続き真摯(しんし)に対応してまいります」とコメントした。