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 広告大手の電通は30日、東京都内で株主総会を開いた。新入社員だった高橋まつりさんの自殺が労災認定された昨秋以降では初。取締役として出席した石井直・前社長は冒頭で「多大なるご心配をおかけしていることを謹んでおわびします」と謝罪した。株主から質問が相次ぎ、過去最長の3時間25分に及んだ。

 長時間労働問題に絡み、株主からは「若者が電通を就職先として選ばなくならないか」「昔も社員の自殺があったが、この間に何をしてきたのか」といった厳しい指摘があった。

 電通が、今回の問題を機に4代目社長の遺訓とされる仕事の心得「鬼十則」を社員手帳から削除したことについて、元社員を名乗る株主から「この先100年、200年続くべきものを、なぜやめたのか」と問う声も。1月に新社長に就任した山本敏博氏は「自分の戒めにするのは妨げないが、人に強制するものではなかった」と答えた。

 石井氏は株主に過労自殺が起きた経緯などを説明。「行きすぎた現場主義や強すぎる上下関係など、電通独自の企業風土が影響を与えた」と話した。出席株主は531人で、14人が質問した。