拡大する写真・図版築地の場外市場で接客する三宅正人社長(右)。常時200種類の魚や貝類などを扱う魚のプロだ=東京都中央区

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食のプロと一杯@新橋まほろば(東京都港区)

 各地から新鮮な海の幸が集まる東京・築地市場。魚を熟知した河岸の人たちが、わざわざ足を運ぶ酒場とはどんなところか――。場外市場の老舗鮮魚店「三宅水産」をたずねると「行きつけの紹介? いいっすよ」。3代目の三宅正人社長(48)が応じてくれた。三宅水産では常時200種類の魚や貝類などを扱い、すし屋に行ってもネタを見ただけで味の良しあしが分かるという。初対面だが、そんなプロと飲みながら話を聞いてみたい――。わがままを伝えると「え、サシで? まぁいいよ」。一瞬戸惑いながらも、その場でお店を予約してくれた。さすが毎朝、競りに参加しているだけに迷いがない。

拡大する写真・図版築地の場外市場で創業80年になる三宅水産の3代目、三宅正人社長(中央)。看板商品の車エビは自ら競り落とす=東京都中央区

 三宅社長が「ぼくの中で旬」と選んだのが「新橋まほろば」という、うなぎ屋。JR新橋駅から徒歩5分ほど、雑居ビル1階の奥まったところにある。「老舗を含めていろいろ食べ歩いたけれど、ここのはおいしいなぁと」。魚のプロが思わずうなるうなぎとは。胸が高鳴る。

拡大する写真・図版魚のプロ、三宅正人社長(中央)のお気に入りのうなぎ屋「新橋まほろば」。うなぎは注文が入ってから生から焼き上げる=東京都港区

 このお店、毎日うなぎをさばき、注文を受けてから生から焼き始める。「白焼きと一通りもらえますか? あと肝焼きとひれ巻」。三宅社長の豪快な注文に、店主の前田篤男さん(36)がテンポ良く反応する。「きょうのうなぎは柔らかめなので、地焼きにしてもおいしいですよ」。一通り? ひれ巻って?? うなぎの街・浜松市出身の記者として、何とか「地焼き」は察しがついたものの……。聞き慣れない「専門用語」に平静を装いつつ、生ビール(550円)をゴクリ。「お、バンバン行けるタイプ? どんどんいって」。笑顔の三宅社長にこちらの緊張も徐々にほぐれていった。

拡大する写真・図版「新橋まほろば」のうなぎの白焼き。蒸してから焼いた関東風だ

 うなぎは関東では蒸して、やわらかくしてから焼くが、関西では蒸さずに地焼きするのが一般的。新橋まほろばでは原則、蒸してから焼いているが、うなぎの状態を見ながら常連客やうなぎの話題で盛り上がったときに、メニューにない地焼きを薦めることもある。「仲良くなると、いいうなぎが入ったよとメールもくれて。ざっくばらんな感じも気に入っている」。三宅社長の顔が一層ほころぶ。

拡大する写真・図版「新橋まほろば」のうなぎのかば焼き。蒸してから焼いた関東風で、ふわっとした食感。

 骨せんべい(380円)や肝焼き(1本250円)をつまみに高知の地酒「文佳人」(850円)を飲んでいると、ひれ巻串(1本150円)がやってきた。「こちらニンニクの芽にうなぎのひれを巻いています」と店員さん。さくっとした歯ごたえで、うなぎのたれとの相性も良い。お酒のあてにもってこいだ。

拡大する写真・図版「新橋まほろば」のうなぎの塩焼き。今回は蒸さずに地焼きした関西風。うなぎが持つうまみがよりダイレクトに伝わってくる

 いよいよ「一通り」の登場。蒸してから焼いた白焼きとかば焼きに続き、地焼きした塩焼きとしょうゆ焼き(各1800円)が運ばれてきた。浜松出身でも一度にこんな種類のうなぎを食べるのは初めてだ。三宅社長は「蒸したうなぎはふわっと、地焼きはぱりっとで。ここを知って、今までおいしいと思っていた店との差を感じてしまった」。遠い目をしながら日本酒の杯を傾けた。小さいころからうなぎが大好きで、2、3年前に知人からこの店を紹介されて以来、よく顔を出すようになったという。「うちもちゃんとしたものをお客様に提供し続けないと」

 鮮魚店という商売柄、魚にはうるさい。別の店に飲みに行くこともあるが「刺し身の盛り合わせを出されても、食べる前から箸が伸びないこともあって……」。自分の店で売れ残った魚を持ち帰り自宅で食べることも多く、外食ではおのずと焼き肉など肉を食べる機会が多いという。「行きたい店は限られる。そういう意味でもこの店は当たり」。

 魚の目利き。プロの魚屋はどこ…

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