[PR]

太田靖彦さん(1932年生まれ)

 長崎歴史文化協会が編集し、年に1回冊子として発行されている「ながさきの空」。今年2月に発行された最新号に、長崎市の太田靖彦(おおたやすひこ)さん(84)が書いた「戦前の稲佐に思いを寄せて」という文章が収録されている。

 「生を受けて八十余年、月日の流れは早いもので、原爆で苦しみ、死線を越えて七十年、運よく生かされ、八十路(やそじ)半ばになろうとしている」。こんな書き出しで始まる文章には原爆投下以前の、稲佐山のふもと稲佐地区の日常の暮らしが記されている。

 太田さんは20年ほど前にも「ながさきの空」に、自身の被爆体験を寄稿した。長崎の歴史や文化、郷土史をテーマにしている「ながさきの空」の中では、異色の原稿だった。「原爆に関する稲佐の記録が少ない」との思いから筆を執ったのだと、太田さんは言う。

 郷土史家で、長崎歴史文化協会の相談役も務める太田さん。原爆以前の稲佐の歴史や穏やかな暮らしと、被爆直後の稲佐の惨状を語ってくれた。

 太田さんは1932年に稲佐に生まれ、被爆直後まで暮らした。「ながさきの空」への寄稿文にこう記した。「振り返ると、長いようで短い人生だったと思う。兄弟も半分欠け、日暮れ時、ふと淋(さび)しい思いにおそわれることがある。そんな時、思い出されるのが、幼い頃の稲佐の風景である」

 稲佐は、長崎港を挟んで長崎市…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら