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 海を越えて敵国まで届く兵器を、日本も持つべきなのか――。北朝鮮の相次ぐミサイル発射への対応が急務だとして、自民党が「敵基地反撃能力の保有」を安倍晋三首相に提言した。「専守防衛」でやってきた日本に今なぜ必要で、どう使うのか。党の検討チーム座長を務めた小野寺五典・元防衛相に聞いた。

 ――自民党が検討チームを作り、敵基地への攻撃能力を持つべきかどうかを議論したのはなぜですか。

 北朝鮮の弾道ミサイル発射は今年に入って2月に最初にあった。党対策本部長の二階俊博幹事長から「国民生活に直結する危険な問題だ。災害同様、速やかに対応すべきだ」と言われ、政府への提言をまとめるよう指示があった。

 私は敵基地攻撃能力が必要だという考えを、第2次安倍内閣で務めた防衛相当時から持っていた。国会で今年1月に首相に質問し、問題意識を共有していると感じていた。座長を引き受け、党からしっかり提言しようと考えた。

 ――3月末の提言で、「盾」にあたる弾道ミサイル防衛(MD)の強化を進めることに加え、巡航ミサイルなど「矛」の兵器を「敵基地反撃能力」として持つよう求めました。

 まずはMDの強化だが、北朝鮮はミサイル能力を高めている。十数分で日本に飛んで来る1発目を防いでも、2、3、4発と続けられたら対応できない。2発目以降を撃たせないため、発射施設や弾薬庫などへ即座に反撃する必要がある。いまはそれを米国が担うことになっているが、日本も能力を持つべきだ。

 反撃するには対象を特定する衛星や迎撃を防ぐ電波妨害装置なども必要だが、何も全部を持つ必要はない。米国と協力すればいい。提言では、MDよりもかなり安価な巡航ミサイルを例示したが、費用対効果で一番使えるものを自衛隊が考えるだろう。

 ――敵の国土を壊滅させるような兵器は、憲法9条のもとで自衛のために許される必要最小限の実力を超えるので持たない、というのが政府の立場です。

 そこは変わらない。イメージは、長距離を飛んでピンポイントで対象を無力化するが、その国の市民には多大な被害を与えないような装備。それ以上は、米国に対応してもらう。また、そもそも核兵器の保有は「非核三原則」に照らしてあり得ない。

 ――安全保障関連法で集団的自衛権が行使できるようになりました。北朝鮮が韓国を攻撃した場合、韓国支援に向かう在日米軍の基地を北朝鮮が攻撃する前に、日本が北朝鮮を攻撃できる兵器を持つことになりませんか。

 この提言に沿って敵基地反撃能力を使う前提は、敵が日本への攻撃に着手することだ。ただ、日本を射程に入れる弾道ミサイルは移動発射台に載っているなど、「攻撃着手」の見極めが難しい。その判断で、あまり政府を縛る必要はない。朝鮮半島有事になれば、日本の米軍基地を北朝鮮が攻撃する事態に一気に発展するかもしれない。

 ――日本防衛の役割分担は米軍が「矛」、自衛隊が「盾」を基本にしてきました。今回の提言を踏まえ、両政府に今後どのような議論を期待しますか。

 「矛」を持つべきだという自民党の意見を、日本政府は米側に説明してほしい。米側が「その必要はない。これまで通り米側がしっかり担う」となれば、安心材料になる。一方で、北朝鮮が狙うと言っている在日米軍基地をミサイルから守るために、米側は「盾」の役割も強めてほしい。(聞き手・藤田直央)

■解説 危機感先行の提言…

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