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 エジプト北部タンタとアレクサンドリアで9日、キリスト教の一派コプト教の教会で相次いで爆発があり、保健省によると、計45人が死亡、約130人が負傷した。過激派組織「イスラム国」(IS)は「IS戦闘員が自爆攻撃を実行した」とする犯行声明を出し、今後も襲撃を続けると警告した。

 9日はキリスト教の復活祭(16日)直前の日曜日にあたり、多数の信徒が礼拝に訪れていた。政府系アハラム紙(電子版)などによると、タンタの教会で午前、礼拝中に爆発が起きた。27人が死亡、約70人が負傷した。治安筋は国営中東通信に自爆犯がいた可能性があると語った。

 現場を映したとされる動画によれば、聖歌を合唱中に爆発が起きた。爆発後の映像では、礼拝堂内には爆風で吹き飛んで壊れた長いすやブロック片、木片が散乱し、床には血だまりがあった。

 アレクサンドリアでは午後、教会前で爆発があり、警察官3人を含む18人が死亡、約60人が負傷した。監視カメラの映像によると、教会の敷地に入ろうとした男が警察官に金属探知機を通るように指示され、直後に爆発が起きた。教会ではコプト教会の法王タワドロス2世がミサを執り行っていたが無事だった。

 シーシ大統領は全土に3カ月間の国家非常事態を発令する意向を発表した。発令には国会承認が必要。令状なしの逮捕や家宅捜索が可能となる。

 コプト教徒はエジプトの人口約9200万人のうち約1割と推計される。ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は今月28、29日にカイロを訪問する予定になっている。今回のテロは宗教対立をあおる狙いがあるとみられる。

 首都カイロで昨年12月、コプト教会で自爆テロがあり、28人が死亡、40人以上が負傷。ISが犯行声明を出した。IS系武装組織が伸長している東部シナイ半島では1~2月にコプト教徒が襲撃される事件が相次ぎ、計7人が殺された。(カイロ=翁長忠雄)