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 東西ドイツの「ベルリンの壁」が市民らによって壊されたのは1989年だった。冷戦が終わり、国境の壁が意味を持たなくなる時代を人々は想像した。

 その約27年後、国境に壁を作ると約束したトランプ氏が米大統領に就任した。人々を分かつ壁が、再び各地で増殖している。

 いったい、何から、何を守るのか。ドイツ、イスラエル、米国、そして日本。世界の「壁」から、記者たちが報告する。

拡大する写真・図版ドイツ・ミュンヘン「難民の壁」 80メートル

 高さ4メートルの壁が盛り土の上に立つ。石の入った金属製のかごを幾段にも積み重ねている。厚さ50センチ、ずっしり重量感のある壁がのしかかってくるようだ。

 ドイツ南部ミュンヘンにこの壁ができたのは、昨年11月だ。難民収容施設と住宅地を隔てる騒音防止壁を、地元ではこう呼ぶ。

 「難民の壁」

拡大する写真・図版難民収容施設と住宅地を隔てる「難民の壁」。スプレーで「壁ではなく橋を」と落書きされていた=ミュンヘン・ペルラッハ地区、高野弦撮影

 3年前、市が難民施設の設置を決めた。嫌がる周辺住民が「洪水の際に危険」などとして差し止め訴訟を起こした。建設が認められると、今度は騒音を理由に規模縮小を求める裁判が起きた。

 「住民らは難民受け入れに反対だった。ただ直接はそう言いにくいから」。調整役を務めた地元議員は明かす。妥協の結果としてできたのが「壁」だった。

 わずか80メートルの壁が、ド…

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