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 トランプ米政権に科学の大切さを訴えるデモ行進「マーチ・フォー・サイエンス」(科学のための行進)が22日、米ワシントンなど世界各地で行われた。研究予算の削減など、科学への風当たりの強まりを受け、研究者らが「科学に基づく政策を」と訴えた。

 トランプ氏は、過去に地球温暖化を「でっちあげ」と表現し、環境規制などを撤廃する動きを見せるほか、国立保健研究所(NIH)などの予算を大幅に削減する方針も示している。

 デモは、今年1月にワシントンであった「女性マーチ」に触発された若手研究者らがネットで呼びかけたことがきっかけ。科学誌サイエンスを発行する米科学振興協会(AAAS)など、主要な科学団体や学会などが協力を表明し、世界規模のイベントに発展した。主催者によると、学会や大学、NGOなど約280団体が協賛し、ワシントンのほか、ニューヨークやロンドン、パリ、東京など世界600カ所以上で行われたという。

 ワシントンでは、行進前のイベントに著名な科学者や元宇宙飛行士らが登壇。気候学者のマイケル・マン博士は「私たちは今、岐路に立っている。科学がこれほど攻撃を受けたことはなかったし、これほど必要とされたこともない」などと語った。

 参加者らはその後、ホワイトハウス近くの広場を出発。「科学は偽ニュースではない」などと書かれたプラカードを掲げ、約2キロ先の連邦議会前まで練り歩いた。オハイオ州から7時間半かけて車を運転してきたという製造業の研究者リチャード・フォレスターさん(62)は「科学を後退させることは許されない。ここに来ることが大切だと感じた」と話した。

 東京では、日比谷公園から東京駅近くまで約1・5キロを、集まった米国人ら約150人が「科学なくして未来なし」などと繰り返しながら行進。取りまとめ役を務めたリッチ・ベイリーさん(47)は「科学が重要で支援されるべきだというのは、米国以外の国でも普遍的なことだ」と話した。(ワシントン=小林哲、小宮山亮磨)