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 北陸3県と神奈川県の焼き肉チェーン「焼肉酒家(ざかや)えびす」で、ユッケを食べた客が食中毒となり5人が死亡した事件は27日、発覚から6年を迎える。富山地検が同社の元社長らを不起訴処分(嫌疑不十分)としてからは約1年が経つが、被害者遺族は消えない不安を抱え続け、元捜査員も複雑な思いで過ごしている。

犠牲者の家族、今も不安

 小西政弘さん(54)は2011年4月、長女の誕生日に家族5人で「えびす」を訪れ、妻(当時43歳)と義母(同70歳)を亡くし、長女と長男も一時重体になった。

 今年3月、砺波署の一室で、司法解剖で採られた妻と義母の血液を初めて目にした。容器に入れられ、捜査の証拠の一つとして6年間保管されていた。

 「もう触れることも、会うこともできない。それでも体の一部はまだ、この世界にあったんだな」。6年ぶりの「再会」。長女らの写真と妻の眼鏡を、2人の血液を囲むように置いた。眼鏡は子どもたちの卒業式などで「自分が目となる」と小西さんがかけている。「3人とも元気だよ」。心の中でそう呼びかけた。5分ほどだけ許された短い再会だった。

 長女は今年、短大を卒業して就職した。学生時代、家族を失ったのは自分のせいだと責任を感じて時折泣き、誕生日には家を出た。それでも小西さんは毎年ケーキを買っていた。「昨年か一昨年、初めて一緒に食べた。親としては、おめでとうと言いたい」

 気がかりなことがある。96年に堺市で起きたO(オー)157の集団食中毒で、感染した女性(25)が一昨年10月に亡くなった。娘や、石川で一人暮らし中の大学生の長男にも後遺症が発症するかもしれない。「不安はまだ残っている。本当に怖い」

 昨年5月、富山地検が下した不…

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