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 29日に始まったニコニコ超会議の目玉、歌舞伎俳優・中村獅童とバーチャルシンガー初音ミクが共演する超歌舞伎「花街詞合鏡(くるわことばあわせかがみ)」で、劇中歌としてしばしば流れる曲がある。それは意外なことにヒロイン初音ミクの持ち歌ではない。もう一人のバーチャルキャスト重音テトのものだ。曲名は「吉原ラメント」。色町に生きる女の悲しみと意地を、哀感に満ちた旋律と音色で聞かせるテトの代表曲だ。ネットが生んだ歌姫として国際的に注目される初音ミクの陰に隠れがちだが、重音テトと「吉原ラメント」の誕生には、ミクとはまた違うドラマがある。

 テトは音声合成技術UTAUで作られている。その原音となる音声を提供した小山乃舞世(おやまの・まよ)さんは、29日の客席前方で舞台を見守った。テトはもともと2008年、ネット掲示板2ちゃんねるユーザーがエープリルフールのジョークとして生み出した。初音ミクなどに使われている音声合成技術ボーカロイドの新シリーズという触れ込みだった。当初はもちろん音声などなかったが、一過性のジョークに終わらせるのは惜しいと考えるユーザーが幾人も現れ、当時開発されたばかりのUTAUを用いて、バーチャルシンガー重音テトが生まれた。いわば冗談から出た真(まこと)だ。

 小山乃さんは誰よりもテトを愛している一人であり、テトを盛り上げたいと思っていた。だが、すでにネット界のスターになっていたミクと違い、テトには代表曲もない。2011年冬のコミックマーケットで知った音楽サークルの作詞作曲家・亜沙さんに連絡を取り、曲づくりを依頼した。報酬らしい報酬も払えず、「テトに賭けてみませんか」と熱意だけで説得、二人で曲のアイデアを練った。つやっぽく、あでやかな曲を作りたい。そこから生まれたのが、花街を舞台にした「吉原ラメント」だった。

 曲はたちまち評判になり、約1…

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