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 地上波での放映が少ないスポーツなどをインターネットで中継し、SNSなどと組み合わせて発信することで新たなファンを開拓する団体が出始めている。人気獲得につながるか。

 「同点ゴールだ! 試合はわからなくなりました」

 東大大学院修士課程の小林泰(ゆたか)さんら学生有志は2016年度、関東大学アイスホッケーリーグの試合を実況したりカメラを操ったりして、「TOKYO(トウキョウ) ICEHOCKEY(アイスホッケー) CHANNEL(チャンネル、TIC)」で生中継した。日大の主将を務めていた皆川慎太郎さんは「友達が中継や動画でハイライトや得点シーンを見て、会場に足を運んでくれるようになった」と話す。

 アイスホッケー男子日本代表は世界で上位に入れず、五輪出場は1998年長野五輪が最後。日本アイスホッケー連盟によると、15年度の登録人数は2万人弱。00年度から1万人以上減り、人気下落に悩む。

 そんな中、社会人2人と学生3人が中心となり、インターネットでの動画や記事の発信を14年に本格的に始めた。テレビ番組制作会社の坂井常雄さんが同じ東大スケート部OBの小林さんに声をかけたことがきっかけだった。今では学生有志やファン計約20人が運営に加わり、複数台のカメラ、映像を切り替えるスイッチャー、リプレーなどを担う。

 新たなファン開拓のカギはSNSとの組み合わせだという。生中継中、ゴールの数分後には動画をフェイスブックで流し、家族や関係者が拡散するのを狙う。現在、TICの情報を見る人は月間20万~30万人(1人が2端末で見た場合は2人とカウント)。2万2千回以上再生された動画や、生中継で3万人以上が視聴した試合もあった。生中継は無料。いつでも見られるオンデマンドは月1900円で140契約を得た。

 今年度は黒字化のめどが立っている。今後はスポンサー獲得などを目指す。2月の平昌(ピョンチャン)五輪女子最終予選(北海道苫小牧市)も放映した坂井さんは「ファンのコミュニティーを作りたい」と言い、発信する試合を増やすつもりだ。

 アメリカンフットボールの関東学生連盟も、1部相当の試合を中継し始めている。昨年は10万以上のアクセスがあった試合も出た。生中継は無料で、オンデマンドでは第2クオーターから有料になり、DVD販売などで収入を得ている。同連盟の前川誠事務局長は「(試合を見る)客が減る中、ファンを増やすための手段。今後はより良い課金方法を探したい」と言う。

 ブラインドサッカー協会は、10年世界選手権(英国)から日本代表戦を中心にフェイスブックなどで動画配信をしている。3月にリオデジャネイロ・パラリンピック金メダルのブラジル代表と対戦した日本代表戦(さいたま市)では、1万2千回以上の再生回数があったという。

 ただ、国内の競技人口は約400人。代表戦以外の試合中継も検討するものの、同協会広報の山本康太さんは「国内チームの中には趣味で楽しむなど、見せる競技としてやっていない選手もいる。そこは慎重に考えていきたい」と話す。(後藤太輔、遠田寛生、榊原一生)

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