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 韓国女性家族省は4日、慰安婦問題の経緯や現状をまとめた研究報告書を発刊し、ホームページに掲載した。当初は政府事業として「慰安婦白書」を編纂(へんさん)し海外発信する予定だったが、一昨年末の日韓合意を踏まえて民間の研究成果を紹介する要約集にとどめた。外国語への翻訳も見送った。

 「日本軍『慰安婦』被害者問題に関する報告書」と題した216ページで、「内容は研究陣の意見であり、女性家族省の公式的な立場ではない」との断り書きをつけている。

 韓国政府は、国際社会で慰安婦問題について非難・批判を控えるとした日韓合意を尊重する立場で、日本側に配慮した形だ。報告書でも、日本側が元慰安婦の支援事業に10億円を拠出するなどとした合意内容について「法的賠償と明記されなかった根本的な限界がある」としながらも「それなりの外交成果」との評価を与えている。

 ただ、9日投開票の大統領選の有力候補は全員、日韓合意の再交渉などを主張する。もともと2014年に安倍政権が行った慰安婦問題に関する「河野談話」検証への対抗措置として「慰安婦白書」の編纂が打ち出された経緯もあり、新政権との間で慰安婦問題が再燃した場合、再び焦点があたる可能性もある。(ソウル=武田肇)

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