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大学4年・栗原耕平さん(21)

 ラテン語で「公正」を意味する「エキタス」。そんな名前の若者グループが、最低賃金を1500円に引き上げるよう訴えている。40人ほどが連絡を取り合い進めている活動の中心にいる。

 「僕の周りには、貧困や労働の問題が身近にある。大学で、そのことに気づいたんです」

 都内の私立学校に通ったが、受験のための勉強に疑問を抱き、野球に打ち込んだ。山梨県の都留文科大に進んだところ、キャンパスには、大学に通い続けるため夜も朝も働く「ダブルワーク」の人がいた。1カ月休みが取れず、過労で倒れた人もいる。

 大学での勉強会を通じて、労働運動が必要だと考えるようになった。2015年3月、学生のユニオンを結成。加入者が働くスーパーと団体交渉もした。そして思った。「個別の交渉はすごく大事だけど、それだけではまったく追いつかない。社会に訴えかけたい」

 その年の秋にエキタスを結成。いまや既存の労働組合を巻き込みつつある。今年4月の東京・新宿でのデモでは、軽快なリズムの「サウンドカー」で先導、色とりどりの労組の旗があとに続いた。

 いま、最低賃金の全国平均額は823円。引き上げについては、当面の目標を千円とすることが多い。「でも、千円では貧困から脱出できない。1500円なら、ちょっと夢があるでしょ」(文・写真 吉沢龍彦)