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 被爆70年の2015年に朝日新聞が実施したアンケートから、被爆者の声を紹介してきた連載「ことづて」。3月に続き、爆心地近くで惨状を体験した人たちを取り上げます。

有馬幸子さん(81)旧広島市水主町で被爆

 「太陽がこわい」。そんな題の絵本がある。横浜市南区の有馬幸子さん(81)が、30年以上大切にしてきた世界に一冊だけの本だ。

 広島での被爆体験を語ると、友人が「絵本にしたい」と言った。1984年、現代詩サークルで活動していた友人がちぎり絵で作ってくれた。

 《幸(さっ)ちゃんは、なかよしの、かすみちゃん、ふじちゃんと三人で、学校への道を急いでいました》

 9歳だった。旧広島市水主(かこ)町(中区)の自宅から、中島国民学校(現・市立中島小)に向かう途中。額の汗を拭きながら、日陰へ身を寄せて歩いていたとき、閃光(せんこう)が走り、気を失った。爆心地から、1キロ。

 《黒い人かげが両手を上げ泳ぐようなかっこうで、ウロウロと歩きまわっているのが、かげ絵のように浮び上がっているばかり》

 海に向かう人たちの後ろについて、歩き出した。自宅近くを通りかかると、家は壊れ、母も、5歳の弟も祖母も、見あたらない。

 翌朝、来た道を一人引き返した…

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