[PR]

 2020年東京五輪・パラリンピックについて、東京都の小池百合子知事は11日、計500億円と試算される都外会場の仮設施設整備費を都が負担する方針を明らかにした。都外の自治体には仮設整備費の負担を原則として求めず、都が全額負担する考えを示した。調整が難航している費用負担協議を決着させるために必要と判断した。

 東京大会の会場は、都内のほか、北海道、宮城、福島、千葉、埼玉、神奈川、静岡の7道県にある。

 小池氏は同日午前、安倍晋三首相と面会し、この方針を説明して理解を求めた。また、1兆6千億~1兆8千億円と試算される大会総経費のうち、パラリンピック開催経費約140億円のうち約70億円を、国と都が折半するよう首相に求めた。

 小池氏は首相との面会後、報道陣に「都として他地域の仮設についても負担していこうということ。(分担方法の)大枠が決まる。(方針について首相に)評価いただいた」と述べた。都外の仮設整備費の全額を都が負担するのかとの質問には「一つ一つ精査しているところだが、大枠ではそういうこと」と話した。一方で都の負担額については「精査中」とした。

 仮設施設は既存施設に追加して設ける客席など。都内外の整備費は計2800億円と見込まれ、うち800億円は大会組織委員会が負担することになっている。

 仮設整備費は当初、組織委が全額負担する計画だったが、経費増大を受け、組織委は昨年末、都と国、都外の自治体も負担する案を提示。これに都外の自治体が強く反発したため、都が主導して今年1月から費用負担の分担方法について検討が続けられてきた。小池氏は当初、3月末までに決める考えだったが決着せず、神奈川、埼玉、千葉の3県知事は準備が間に合わないなどとして今月9日、首相に調整を要請。首相は丸川珠代五輪担当相に調整を指示していた。

 菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で小池氏の方針表明について「関係自治体との調整、準備が進むことに期待したい。これで課題がなくなってくる」。丸川氏も記者団に「小池知事の素早い対応に感謝する。やっと決断していただけた。これで前に進んでいける」と述べた。埼玉県の上田清司知事は「都の責任を明確にされたことはいいことだ」としつつ、「もう少し早ければよかった」と語った。(野村周平)