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 東北大の井上明久・前総長の研究をめぐる不正疑惑問題の決着が見えない。同じ画像を複数の論文に使い回したとする指摘について、大学の調査委員会は昨年12月、「意図的とは言えない」と不正を否定する報告書をまとめた。告発してきた同大名誉教授らは4月、再審議を大学に要求した。

大学側は不正を否定 告発側再調査求める

 不正が指摘されているのは、普通の金属材料より丈夫とされる「金属ガラス」の研究。1990年代以降、次々と論文を発表した井上氏は、2006~12年に東北大総長を務めた。

 就任半年後の07年5月から、「井上氏が作ったという直径3センチの金属ガラスをほかの研究者は作れず、再現性がない」などと指摘する複数の匿名投書が文部科学省や東北大に届き始めた。その後、同じ論文が別の雑誌に二重投稿されていたことが発覚。同じ写真やグラフが内容の異なる論文に「使い回し」されている例も複数指摘され、疑惑が深まった。

 例えば、井上氏らが96年に発表した論文で「ネオジム合金」として掲載された試料写真が、97年と99年の論文では「ジルコニウム合金」とされていた。97年と99年の論文は合金をX線分析したデータのグラフを掲載。加工の条件が違うと記しているのに、本来は重ならないギザギザした曲線が細部まで一致していた。01年発表の論文でも、合金を電子顕微鏡で撮影したとされる画像が別の論文のものと同じだった。

 昨年12月に東北大がまとめた報告書によると、同じ合金の写真を別物として載せたことについて、井上氏らは調査委に「外観が似ているためにミスをした」と弁明。故意ではないことを裏付けるデータは「海難事故で失われたので提出できない」と主張した。

 調査委は「故意が疑われるとい…

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