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 獣医学部の新設をめぐる国家戦略特区の選定過程に何があったのか。25日に記者会見した前川喜平・前文部科学事務次官は、必要な手続きが踏まれずに進められたと証言し、「行政がゆがめられた」と語った。4カ月前まで学部新設の認可権限を持つ文科省の事務方トップだった人物の証言に、官邸周辺は疑惑の打ち消しに追われた。

 「極めて薄弱な根拠のもとで規制緩和が行われた」「公正公平であるべき行政のあり方がゆがめられた」

 前川氏は25日の記者会見で、国家戦略特区で「加計学園」の獣医学部新設が認められた経緯について、「条件」が満たされていないのに進んでしまった、と強く批判した。

 安倍政権は2015年6月に閣議決定した「日本再興戦略」で、獣医学部の新設を認める前提として四つの条件を設けた。おもに、①獣医師の需給動向を考慮する②生命科学など新たに対応すべき分野が明らかになる、などを規制を緩和する「ハードル」として示した。

 まず、獣医師数について、獣医行政をつかさどる農林水産省は、家畜やペットの数が年々減っていることもあり、「獣医師の数は不足していない」との見解を最後まで変えなかった。また、生命科学をめぐっては、新薬を開発する際の動物実験を担う獣医師の養成が課題とされているが、薬事行政を担当する厚生労働省は具体的なニーズについて明らかにしていない。

 前川氏の証言によれば、そうしたさなかの昨年秋に、「官邸の最高レベルが言っている」などと特区を担当する内閣府から文科省が伝えられたとされる文書を、担当課から示されたという。

 前川氏は会見で、農水省からも厚労省からも条件をクリアするための明確な回答がないまま、獣医学部新設が認められたとし、「実質的な根拠をもって示されているとは思えません」と指摘した。

 条件が整っていないということだけでなく、開学の時期についても疑問を呈した。文科省は大臣の意見として「2019年4月」を提案したとされるが、前川氏は、「内閣府の回答は最後通告に近いもので『18年4月の開学は決まったことだ』(と伝えられた)。そこに、総理のご意向という言葉も出てくる」と話した。

 一連の経緯について、前川氏は…

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