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 2020年度から実施される次期学習指導要領で小学校の英語が拡充されることに備え、文部科学省は26日、18年度からの2年間を移行期間と位置づけ、英語の授業を前倒しで増やすと発表した。3年から6年まで年間15コマずつ増やし、時間確保のためには「総合的な学習の時間(総合学習)」を振り替えることを認める。

 20年度からの新指導要領では、英語に親しむための「外国語活動」の開始を現行の小5から小3に早め、年間35コマをあてる。また、小5と小6は教科書を使う正式な教科の「外国語科」となり、授業時間は現行の35コマから70コマに倍増させる。

 こうした変化にスムーズに対応し、中学校の新しい指導要領にも対応できるよう、来春から授業時間を増やす。中学年ではアルファベットや外国語のリズムに慣れてもらい、高学年は外国語の簡単な読み書きや会話を教える授業を行う予定で、教材も文科省で開発中という。

 一方、授業時間が全体として増えることを避けるため、現状は年間70コマある総合学習を55コマまで減らし、その分を英語にあてることも認める。文科省によると、国語や算数など教科書を使い、学ぶ範囲が決まっている教科は減らすことができないため、「各学校で目標を決める総合学習を弾力化するしかない」との判断からだ。

 20年度から新指導要領が全面実施されると、英語の授業時間はさらに増えるが、文科省は学校現場の負担増への対応策を打ち出していない。このため、長期休暇を短くしたり、1日の授業時間数を増やしたりする必要もありそうだ。教員の長時間労働が既に問題となっており、議論が起きるのは必至だ。(根岸拓朗)