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熊本地震×ヤフー検索データ

 熊本地震に関する検索データを分析し防災や支援にいかす道を探ろうと、熊本大学で28日に開かれた催しでは、熊本大チーム、弁護士チーム、YMCAチーム、JVOADチーム(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク)、朝日新聞記者チームの計5チームが地震後の経験をもとに分析したデータから、様々な課題を指摘し、新たなアイデアを披露した。YMCAチームの発表内容を紹介する。

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 熊本地震発生直後から熊本県益城町と御船町で避難所を運営していたYMCAのチームは、「公営住宅」の検索数で被災者の住まいへの関心と傾向を探った。その結果、関心は時間を経ても高く、行政から住宅施策が示されたタイミングで特に高まったと指摘。その上で被災者の間で「情報格差」があるとして、行政が新聞など複数のメディアと連携するなどして情報発信する必要性を説いた。

 昨年4月の地震発生直後の熊本県からの「公営住宅」の検索数を100とすると、「災害公営住宅」の検索は11月で88・2、今年2月も70・6と高かった。いずれも、県が建設方針や戸数、整備計画を発表した時期と重なっていた。

 一方で避難所では、小さな文字を読めず、スマートフォンも持たない高齢者が多く、情報が十分に周知されていなかったという。住まいを移すたびに被災者がストレスを募らせたことも指摘し、期限がある仮設住宅ではなく、避難所を出た後に半恒久的に住める公営住宅の整備を提案した。

 YMCAはまた、避難所では引きこもりやうつ状態の被災者が多かったため、「うつ」「眠れない」「いらいら」などの言葉を「地震」と合わせて検索したデータを探った。だが、地震直後の4、5月を除けば一定数以上の検索はなかったという。

 この点について、東日本大震災では岩手、宮城、福島3県で心的外傷後ストレス障害(PTSD)が疑われる子どもの割合が地震発生3年後に約3割に達したとする国の調査結果を示した。避難所で感じていた問題が必ずしも「検索行動に表れないのではないか」として、検索データのみに頼らず、心のケアに関する医療情報を適切な時期に提供していくことが大切だと提案した。

 蒲島郁夫知事は講評で「YMCAのような熟練したボランティア団体が被災者の近くにいて、データでは表せない日々の情報を上げてほしい。その時にインターネットやソーシャルネットワークが使える」と述べ、「情報格差が復興の格差になっている」との指摘にも触れて「様々な提言は生かしていかなければと思っている」とこたえた。(岩田誠司)