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熊本地震×ヤフー検索データ

 熊本地震に関する検索データを分析し防災や支援にいかす道を探ろうと、熊本大学で28日に開かれた催しでは、熊本大チーム、弁護士チーム、YMCAチーム、JVOADチーム(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク)、朝日新聞記者チームの計5チームが地震後の経験をもとに分析したデータから、様々な課題を指摘し、新たなアイデアを披露した。JVOADチームの発表内容を紹介する。

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 全国21の災害支援団体でつくる「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク」(JVOAD、東京)は災害現場の様々な団体の支援状況を把握し、支援を受ける地域や内容に偏りがないよう調整している。

 熊本地震では発生後2カ月間は連日、最大約100団体で支援状況を共有する「火の国会議」の運営に携わった。それでも「熊本地震で被害の全体像をつかむのは難しかった」と明城(みょうじょう)徹也事務局長(46)。今回参加した理由を「ネットの情報を使って被災者の困りごとを把握できないかと考えた」と説明した。

 この日は会員団体「情報支援レスキュー隊」(東京)の宮川祥子代表理事(47)が、熊本地震の前震が起きた昨年4月14日から30日までに県内で「熊本地震」と一緒に検索された頻度が高かった言葉について発表した。

 1~3位は「今後」「予知」「予言」で、宮川さんは「不安な気持ちを示すキーワードが多い」と指摘。一方で「罹災(りさい)証明」(36位)、「水道」(47位)、「お風呂」(48位)といった言葉は頻度が低く、「緊急性が高いものは検索で見つかってこない。困りごとに関する情報はSNSで流通しているかもしれない」との見方を示した。

 同じ会員の「ピースボート災害ボランティアセンター」(同)の上島安裕事務局長(35)も登壇。「(困りごとに関する情報を)足で見つけるのも限界がある」とし、「ネットを活用して住民のニーズを把握できるシステムを作る必要がある」と締めくくった。

 各チームの代表者による討論では、明城さんが検索データの可能性について話した。例えば、仮設住宅のバリアフリー化を指すとみられる「バリアフリー」は地震翌年の1、2月になっても一定の検索数があり、家屋の「公費解体」は地震発生後の1年間でほぼ検索がなかったという。

 明城さんは「現場の肌感覚で感じるニーズと違う。なぜ違うのかを突き詰めることで、(被災者のニーズについて)見えてくるものもあるのではないか」と指摘。今後のネット活用の可能性について「SNSでの(被災者の困りごとに関する)情報を支援に生かせるようにしたい。情報をどう翻訳して現場に伝えるか考えていきたい」と話した。

 蒲島郁夫知事は講評で、「困りごとについて、どうやって検索で情報を取るかが課題だ。困りごとをいかに見つけるかはデータも大事だが、JVOADのように(人々に)寄り添っている方々が一番大事な役割を果たしている」と話した。(佐藤達弥)