【動画】「鯖街道」1000人が駆け抜けた=福野聡子撮影
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 京都市最北端にある久多(くた)。市内中心部から車で約1時間、山々に囲まれた約90人の小さな集落です。5月21日、1千人ものランナーが新緑の山里を駆け抜けていきました。福井・小浜から京都・出町柳まで全長約77キロを走る「鯖(さば)街道ウルトラマラソン」。山あり谷あり歴史ありのルートで、久多はほぼ中間。補給のためのエイドが置かれ、ランナーで大にぎわいとなりました。

先人の苦労を思いつつ

 「来ました!」。ランナーの姿が見えると、待ち受ける久多エイドのスタッフから拍手が上がりました。午前9時10分すぎ、小浜からの最初のランナーの到着です。ランナーは用意されたおにぎりをほおばって給水。午前6時のスタートから3時間以上走った疲れもそれほど見せず、拍手の中、次の山越えへ向かいました。

 「京は遠(とお)ても十八里」(十八里=約72キロ)――。昔、福井・若狭湾でとれた海産物や塩は、行商人らに担がれて京の都まで運ばれました。ひと塩して一昼夜かけて運んだ鯖は京都に着く頃には食べごろになっていた、と言われます。道はいろいろあったようですが、今は通称「鯖街道」と呼ばれ、ウォーキングなどで人気。一昨年、福井・滋賀県境の「針畑越え」を含む「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群」が文化庁の「日本遺産」に認定され、より注目されています。

 「鯖街道ウルトラマラソン」は、「針畑越え」の根来(ねごり)坂、久多を通って尾越、大見、鞍馬へ抜ける道を通ります。京都の登山愛好家でつくる北山クラブ会長だった故金久昌業(まさなり)さんの著作「北山の峠」によると、久多から鞍馬への道は、安曇川筋をたどる道よりも古いとされています。

 同マラソンは今年で22回目。当初からかかわる京都トライアスロンクラブの廣岡凱雄(ときを)さん(72)によると、歴史好きの仲間の提案でこの道を走ることになりましたが、1回目の参加者は仲間内の30人弱だったそうです。新緑と歴史を刻んだ道の魅力、山谷を駆けるトレイルラン自体の人気も重なり、今では1千人規模の大会に。

 小浜からのAコース(約77キロ、通称・本鯖)と、大津・梅ノ木からのBコース(約43キロ、通称・半鯖)があり、今年はAコース677人、Bコースには450人がエントリー。20代から70代まで、全国からの応募です。Aコースは根来坂、オグロ坂峠、杉峠と標高800メートル以上の「峠越え」が3つもあります。

 小浜から約40キロの久多はAコースのほぼ中間で、Bコースのランナーも通過します。久多の里自然環境活用センター前では、午前7時半ごろから十数人のスタッフがエイドを設営。テーブルには、久多エイドだけの提供というおにぎりのほか、オレンジやバナナ、キュウリ、塩昆布などがずらり。

 つづら折りの難関・オグロ坂峠…

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