[PR]

 死者・行方不明者63人を出した2014年9月の御嶽山噴火災害をめぐり、死亡した5人の遺族が国と県に計1億4千万円の損害賠償を求めた訴訟で、噴火当時頂上付近にいて生還した負傷者2人が新たに原告団に加わる方針であることが29日わかった。長野地裁松本支部で6月14日に開かれる第2回口頭弁論までに追加提訴する見込みだ。

 弁護団事務局によると、新たに加わるのは、松本市の男性会社員(60)と県内在住の男性会社員。負傷者による提訴は初めてで、1人あたり300万円の慰謝料を求める。訴えの内容は遺族と同じになるという。

 弁護団事務局長の山下潤弁護士は「裁判は噴火を検証し、今後の噴火災害の予防に役立てるのが目的。2人は亡くなった仲間の姿や噴火の状況を直接見ており、当時の状況をより立体的に証言、主張してもらえる」と話した。原告側は、噴火前に1日50回以上の火山性地震が観測されていたのに、気象庁が噴火警戒レベルの引き上げを怠ったなどと訴えている。県に対しては「地震計の故障を放置しなければ、精度の高いデータを気象庁に提供でき、レベルが引き上げられた」などと主張している。一方、国と県は争う姿勢を示しており、請求の棄却を求めていく方針。(松本英仁)