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 ホンダはハイブリッド車(HV)の海外市場への販売を加速させる。HVは日本以外であまり売れない「ガラパゴス車」とも指摘されてきたが、今後も二酸化炭素(CO2)削減のカギを握るとみて、弱かった海外市場への展開を急ぐ。

 八郷隆弘社長が朝日新聞の取材に、「(世界で販売する)グローバル機種での展開を基本に、HVの数を増やしていく」と語った。日立製作所の子会社と7月につくる合弁会社などで高効率のモーターを量産。燃焼性能の高いエンジンと組み合わせ、燃費や価格面でより競争力のあるHVを売り出して普及を図る。

 ホンダの2016年度のHV販売台数は22万3656台。このうち国内向けが91%で、海外向けは約2万台にとどまっていた。

 今年後半には中国でSUV(スポーツ用多目的車)「CR―V」のHVを発売。18年には、14年に生産を終えた「インサイト」のようなHV専用車を米国で生産、販売する。欧州でも18年、発電用と走行用の二つのモーターを持つHVを初投入する。

 16年、日本では新車販売の4割がHVだったが、調査会社マークラインズによると米国、欧州のいずれも約2%にとどまる。信号や渋滞で停車や発進を繰り返す日本に比べ、海外ではHVの利点が実感しにくく、割高になる価格も普及を妨げてきた。近年の原油安で燃費への関心が薄れたことも逆風だ。トヨタ自動車も、97年以来販売したHV約1千万台の半分が日本向けだ。

 今秋からは、米カリフォルニア州を中心に電気自動車(EV)など排ガスのない車を一定数、売るよう求める規制が始まる。排ガスをゼロにできないHVには不利だが、その米国でHV専用車を売ることについて八郷氏は「(HVの先進性をPRした)インサイトと考え方は同じで、専用車でできることを表現したい」と述べた。

 自動車大手はEV開発にも注力するが、価格や充電インフラなど課題は多い。トヨタのHV「プリウス」開発の立役者だった八重樫武久氏は「規制で無理にEVを押しつけても、市場が受け入れるとは限らない。エンジンの効率を高め、HV化でCO2排出を抑える戦略にはまだまだ可能性がある」と話す。(木村聡史、青山直篤)

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