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【1999年3月9日朝刊33面】

 朝鮮半島で緊張が高まった一九九四年、在日米軍が日本側に示した米軍支援の要請内容が、このほど明らかになった。それを分析すると、沖縄を重要な後方支援の拠点として想定していることが読み取れる。九四年当時、現職だった大田昌秀・前沖縄県知事に、国会で審議中の「新しい日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)関連法案について、知事経験者としての意見を聞いた。

 (外岡秀俊)

 ○県民の負担、一層過重に 自治体協力、半ば義務化

 ――在日米軍からの要求では、那覇空港や那覇、天願、金武湾などの港湾施設を使うことになっていました。さらに、米側非戦闘員の避難受け入れのため、嘉手納に二・五万セットの寝具を送ることが計画されていましたが。

 沖縄は、現状でも二十九カ所の水域、四割の空域が米軍の管理下にあり、本島の陸上の二割が基地になっています。さらに民間の協力を求めることになれば、県民生活への負担は計り知れません。今回、要請内容が具体的になったことで、懸念がさらに深まりました。

 法案では、政府は自治体の長に、必要な協力を「求めることができる」としていますが、他方で政府は「正当な理由」がなければ拒否できないことにする、と報道されている。今のままでは、自治体の協力は、半ば義務となるのは避けがたいでしょう。

 私がかつて経験した沖縄戦では、四五年(昭和二十年)一月、米軍が上陸する前に、戒厳令を敷く計画がありました。実際には当時の軍司令官と県知事の協力関係がよかったので布告されなかったが、「実質的には戒厳令下と同じ状態だった」と、那覇警察署長がのちに証言しています。

 有事には、船舶や荷役労働者を徴用し、医師・看護婦を動員する。そういうことになれば、病院も空港使用も軍が最優先になり、離島が多く、生活必需品の多くを県外に頼る沖縄では、県民生活に大きな支障が出るでしょう。

 いったん有事になれば、一木一…

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