真夏の暑い日のイメージが強い熱中症。例年、梅雨明け後の7月下旬から8月上旬のお盆ごろまでが発生のピークと言われている。しかし、熱中症になるのは、気温が高い日ばかりではない。寒暖差の激しい季節の変わり目の5~6月も、体が暑さに慣れていないため、注意が必要だ。
総務省消防庁の発表によると、5月1~28日の約1カ月にすでに熱中症で2613人(速報値)が救急搬送された。特に15~21日の1週間は984人が救急搬送され、前年の1.7倍だという。
大型連休明けの5月11日には、埼玉県越谷市の小学校の校庭で運動会の練習をしていた児童19人が熱中症とみられる症状で搬送された。熊谷地方気象台によると、気温は21・4度だったが、最高気温は前日から10度以上も高くなっていた。
熱中症に詳しい三宅康史・帝京大病院救命救急センター長は「暑さに体が慣れていない時期は、気温の上昇に適応できずに熱中症になることがある」と話す。
梅雨入り前は、暑い日と寒い日が交互に訪れ、日によって寒暖差が激しい。また、1日の中でも朝晩と日中の気温差も大きいことから、体への負荷もかかりやすく、体調を崩しやすい。三宅さんによると、今の時期は、屋外で熱中症になるケースがほとんどだ。運動会や部活動の練習などスポーツをしている子どもや、お酒を飲みながらバーベキューをしている若者などが目立つ。「日差しが強くて風が弱く、湿度が高いような日は注意が必要だ」という。
事前に天気予報で前日との気温差や蒸し暑い日になるかを確認し、行事などが無理な計画になっていないかどうかを確認した方がいい。当日は、汗をかいた時に水分や塩分を補給できるように経口補水液などを持参して外出し、脱ぎ着できる服装を心がけることが大事だ。
<アピタル:マンスリー特集・熱中症>
科学医療部記者。02年入社、北海道報道部、さいたま総局、東京本社生活部、社会部、特別報道部などで医療など社会保障分野の取材を担当。
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