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 三重県教育委員会は、県立高校への入学資格を県外にも広げる「全国募集」を導入する検討を始めた。有識者らによる検討会を今年度中に設置し、導入の是非を判断する。複数の関係者への取材で分かった。

 三重県では現在、原則として保護者も県内に転居する場合に、県外からの県立高校入学を認めている。出願時に県内企業の就業証明書の提出を求めるなどしている。

 ところが今年4月、スポーツ強豪校として知られる5校で、県外から入学した運動部員計49人の保護者が、県教委の規則に反して県内に住んでいなかった問題が発覚した。

 県教委は県立高校全校の実態を調べるとともに、対応を検討していた。部活動目的で県外から入学した生徒が多数いることや、学校からも制度変更を求める声が出ていることを踏まえ、全国募集の導入も含めた入試制度のあり方を議論することにした。

 保護者が現在県外に居住する生徒については、保護者が県内に転居できない場合、安全確保のため、緊急時に対応できる県内在住の成人を保証人とするよう求めることを決めた。

 全国募集は徳島、島根、滋賀各県など少子化に直面する地域の公立高校で導入例がある。これらでは地域活性化を目的に、一定の募集枠を設けて特定のスポーツで実績のある生徒を募ったり、陶芸など地場産業の技術を学ぶカリキュラムで生徒を集めたりしている。三重県教委もこうした先行事例を調べている。一方、愛知県や岐阜県は全国募集を導入していない。

 三重県には、生徒がレストランを運営する相可(おうか)高校(多気町)など、スポーツ以外の特色で知られる県立高校もある。全国募集の対象範囲をどこまで広げるかも、今後の検討課題となる。(堀川勝元)