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 天皇陛下の退位を実現するための特例法案が1日午前、衆院議院運営委員会で審議入りした。法案は「陛下のお気持ちを国民が理解し共感している」ことを踏まえ、一代限りの退位を可能とすることが柱だ。菅義偉官房長官は答弁で、今回の退位が将来の先例にもなり得るとの考えを初めて示した。

 午前の審議は、自民の茂木敏充政調会長、民進の馬淵澄夫・党皇位検討委員会事務局長、公明の北側一雄副代表が質問に立った。

 茂木氏は、政府が皇室典範の改正ではなく特例法による法整備を選んだことを踏まえ、退位が将来の先例にもなるか見解をただした。

 菅氏は「法案の作成に至るプロセスや、その中で整理された基本的な考え方は将来の先例になり得る」と明言。「政治、社会情勢、国民意識などは変化し得る。これらを全て網羅して退位の要件を定めるのは困難だ」とも語り、将来もその都度、国民の受け止めを考慮しながら特例法で対応するのが望ましいとの考えを示した。

 法案は退位の日付にあたる法施行日について、3年を超えない範囲で政令で定めるとしている。政府は来年12月の退位を軸に検討しているが、菅氏は退位日について「退位に向けて準備が必要となる事項は多岐にわたる。どれだけの期間が必要か、現時点で判断するのは困難だ」と述べるにとどめた。

 自民、民進両党は法案の付帯決議の中で、政府に対して「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」について法施行後速やかに検討するよう求めることで合意している。これについて菅氏は「(民主党の)野田内閣では、女性皇族の婚姻による皇籍離脱の対応策は、皇位継承問題と切り離して検討した」と指摘。女性宮家の問題は、皇位の安定継承の問題とは切り離して検討する考えを示した。

 一方、共産党は同日午前、退位に至る事情を記した第1条の中で「天皇陛下のお気持ち」に言及したくだりを削除するなどした修正案を国会に提出した。憲法との整合性に配慮したものだが、小池晃書記局長は記者会見で、修正案が否決されても法案には賛成する方針を明らかにした。

 特例法案は、同日午後の質疑後に採決が行われ、各党の賛成で可決される見通しだ。