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 人気ロックバンド「B’z」が7月、ボーカルの稲葉浩志さん(52)の地元・岡山県津山市でライブをする。時代を超えてヒット曲を出し続けてきたバンドの28年ぶりの凱旋(がいせん)。地元は盛り上がらずにいられない。

 化粧品が並ぶ店内の一角にB’zのポスターが貼られている。JR姫新(きしん)線東津山駅から徒歩約10分。イナバ化粧品店は、稲葉さんが高校時代まで過ごした実家で、ファンにとって「聖地」だ。

 「津山は良いところだと言ってもらえるような思い出をファンの人たちに作ってあげてほしい」。母の邦子さん(80)は凱旋ライブに期待する。

 「母親が話しても格好悪いから」と言いつつ、小さい頃のアルバムを見せてくれた。1枚の写真に指が止まる。「高校の文化祭で初めてライブに出たの。これがデビューのきっかけだったみたい」。撮影は1982年9月。県立津山高校の文化祭で、3年生の稲葉さんがマイクを握っている。

 隣でギターを弾くのは同級生の頼経英博(よりつねひでひろ)さん(52)だ。稲葉さんをバンドに誘った人物で、いまは美作(みまさか)市立英田(あいだ)中学校の教頭を務める。「ついに、という気持ち。大きなホールもないし、まさか来るなんて思わなかった。うれしいです」

 頼経さんは当時、日本のヘビーメタルバンド「ラウドネス」の大ファンだった。コピーバンドを組んで文化祭で演奏したいと思っていたが、高音のボーカルを誰に頼むか悩んでいた。

 目を付けたのが、テニス部にいた稲葉さんだ。

 「ファイトーッ!」

 「ドンマイ!」

 校内のコートで、稲葉さんの声は、ひときわ大きく、高く、響いていた。「稲葉だけの独特な声質。ぴったりだと思った」

 頼経さんによると、稲葉さんは「人前で歌うなんて恥ずかしい」と言っていたが、熱意が届いたのか、出演を決心してくれたという。ドラムやベースが上手な友達も加わった。

 当時の担任だった黒瀬定生さん(77)によると、稲葉さんは部活にも勉強にも真面目に打ち込んでいた。「文化祭でバンド演奏をすると聞いて意外なくらいだった」。受験勉強に集中するべきだと出演をやめるよう説得したが、やめなかったという。

 文化祭当日、野外ステージとなった弓道場に生徒たちがなだれ込んで盛り上がり、体育館でも演奏した。稲葉さんは、練習のしすぎで思うように声が出なくなっていたが、それでも声は大きかったという。

 演奏を見た同級生の男子生徒は校内冊子にこう記した。「彼の最大の魅力は澄き通るような高音なのだが残念なことに本番での調子は最悪。しかし叫ぶような歌いぶりで堂々とこれを克服した」

 頼経さんは「最高のステージだ…

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