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 お酒の過度な安売りを規制する改正酒税法などが1日施行され、ビールや発泡酒の値上げが相次いでいる。ねらいは街の小規模な酒屋さんを守ることだが、一気に2割の値上げに踏み切る店もある一方、違法な安売りの基準があいまいで、戸惑いの声も広がる。

「違法な安売り」線引きあいまい

 東京都足立区のスーパー「生鮮市場さんよう」のビール売り場。前日まで1千円前後だった350ミリリットル入りのビール6缶パックが、1日からは150円ほど値上げされた。

 6缶パックを週3回買うという女性(80)は「近所のスーパーを回って、1円でも安いものを探している。ビールを控え、焼酎にかえるかも」。店で酒類コーナーを担当する阿部芳邦さん(42)は「ビールは数円上がっただけで売れなくなるほどシビアだ」と、客のビール離れを心配する。

 それでも値上げに踏み切らざるを得なかったのは、昨年5月に成立した改正酒税法などの影響だ。商品の仕入れ値に人件費や賃料などのコストを加えた原価を下回る価格で売る「赤字販売」を原則禁止し、違反を続ければ業者名の公表や罰金、販売免許の取り消しなどが科される。国税庁は来月に「酒類取引専門官」を新設して監視を強化する。

 規制の対象はお酒全般だが、ビールや発泡酒はこれまで大手スーパーなどが集客の目玉として赤字覚悟の安売りをしてきたことから、対応を迫られて値上げの動きにつながっている。

 首都圏の中堅スーパーは、賃料が高い都心部の店が多く、そのコストを反映した結果、1日からビール類と一部リキュールの価格を全店で一律1~2割も値上げした。大手でも、イオンが一部商品の値上げに踏み切った。

 安売りの原資としてビールメーカーが出している「販売奨励金」(リベート)の支払い基準も厳しくなった。これを先取りしてキリンビールは1月から、アサヒビールも3月から、リベートの減額に踏み切るなどした結果、店頭価格はすでに上がり始めている。

 ただ、どこまでの安売りが違法なのか、線引きはあいまいだ。たとえば原価に含める人件費。食品や日用品、お酒といった売り場ごとには明確には分けられない。国税庁は「合理的な方法で計算してほしい」とするが、「企業ごとに解釈に違いが出る」(スーパー関係者)、「週末の各社の出方をみて価格を調整する」(大手ディスカウントストア)など、困惑が広がる。

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