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 日本では初婚の高齢化、家族や家庭の考え方の多様化により急速に少子化が進んでいます。一方で子供を望みながらも恵まれない夫婦が多いのも事実であり、高齢になってから「不妊外来」を受診する夫婦も増えています。

 不妊とは「妊娠を望む健康な男女が避妊をせずに夫婦生活をしているのに1年以上妊娠が成立しない状態」をいいます。原因が女性にある割合と男性にある割合はほぼ半々だといわれており、両方にある場合もあります。女性では、排卵、卵管、免疫、子宮などのいろいろな因子が関係しています。

 排卵は、脳からホルモンが分泌され、卵巣に作用してひき起こされます。ホルモンバランスが崩れると排卵障害が起こり不妊となります。血液検査によりホルモンの状態を確認することが出来ます。

 卵管は卵子が受精する場ですが、卵管が子宮内膜症やクラミジア感染などで閉塞(へいそく)している場合、正常な受精ができず不妊となります。特に両側の卵管が閉塞している場合、体外受精の適用になります。卵管が正常かどうかは子宮卵管造影検査で確認できます。

 ヒトには、細菌やウイルスに対して抗体をつくり自分を守る免疫という仕組みがありますが、時に精子を外敵とみなし攻撃する抗体ができることがあり、この抗体が子宮頸管(けいかん)や卵管の中に分泌されると精子の運動性が失われ、卵子に到達できず受精できません。

 子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなど、子宮に器質的な原因があると受精卵が着床する環境を障害されることがあります。子宮が原因と強く疑われる場合は手術を勧めることがあります。

 以上のように不妊症には様々な原因があります。妊娠・出産を強く望んでいるのに1年以上子供を授からない場合には、ぜひ検査を受けられることをお勧めします。

 次回は済生会第二病院の長谷川功先生に体外受精・胚(はい)移植法について解説していただきます。

<アピタル:医の手帳・不妊症>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/(新潟大学大学院医歯学総合研究科 榎本隆之教授(産婦人科学))