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 鳴門市で生まれた国の特別天然記念物コウノトリのヒナに、巣立ちの日がやってきた。2日午前、2羽が相次いで巣を飛び立ち、近くの農地に降り立った。県などでつくる「コウノトリ定着推進連絡協議会」のメンバーは市内で記者会見を開き、改めて観察マナーの徹底を呼びかけた。

 協議会によると、メスの「あさ」(個体識別番号=J0142)が午前8時ごろ、オスの「蓮(れん)」(同=J0140)が9時20分すぎ、相次いで巣を飛び立ち、その後、巣の西側の農地にいるのが確認された。

 会見では、協議会の竹村昇会長が「5年後には、コウノトリが地域のどこにでもいるような鳴門になれば」と喜びを語った。日本野鳥の会の三宅武・県支部長は、巣から400メートル以内での撮影・観察の自粛の徹底を呼びかけた。ヒナは秋ごろまで親の支えを受けながら巣の周辺で過ごすとみられる。

 巣の西約400メートルの道路沿いの観察スポットには、多くの市民らが駆けつけた。レンコン田の周辺を歩きながら、時折何かをついばむようなしぐさを見せる2羽。近くの福原幸子さん(62)は「すごくうれしい。早く彼氏と彼女を連れて鳴門に帰ってきて」。2年前からほぼ毎日、観察を続けてきた浅野由美子さん(43)は「大きくなるまであっという間だった。早く自分のテリトリーを見つけて、鳴門コウノトリの家系を広げていって欲しい」と感慨深げに話した。(中村律)